sunawachi.com「レザー・コラム」

レザーにまつわるあれこれを不定期で書く、sunawachi.comのコラム

ストレートに言いますと「スナワチTを買ってください」

この夏、自分で着ようと思って数枚だけ作ったスナワチTシャツは、非売品のつもりだったのですが、撤回します。

ご希望の方に販売いたします。

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171cm / 63kg でLを着用

コロナウイルスの危機が日に日に拡大する状況(2020年3月末現在)の下、スナワチは昨年秋の消費税増税にもかかわらず、おかげさまでビジネスとしては順調に推移し、「ようやく食えるかもしれないな……」と、ほっとしていた矢先でした。
今はギリギリ持ちこたえているのですが、キツイのは「終わりが見えない」の一点に尽きます。

3月は締めてみたら、例月の20~30%減です。よくないです。
楽観的な私でも、じわじわと不安が迫ってきて、どうしたらいいかわからなくなる瞬間もございます。

政府の個人への給付金はどうやらないみたいですし、企業に対する支援といっても「どう見ても『なるべく来ないでね!』と言わんばかりの難解な書類と煩雑な手続き」が待っていて、アテにできません。私は小規模事業者持続化補助金というのに過去3回も落ちてるので、政府から見放された存在だとあきらめております(苦笑)。

しかし、まぁ、こういうとき、モノを売る商売の人間は「いいモノを買ってもらう」しか手はないのです。

 

おかげさまで毎年好評を博している「ウェットブルー・ポケットTシャツ」は2020年版も計画中です。

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ウェットブルー・ポケットT

が、それも夏まで発売しませんので、この春をなんとかするために、「スナワチTシャツ」を作ります。

と言っても、ペペッと乱造したものを売るようなことは、スナワチの沽券にかかわりますからいたしません。

こういうTシャツです。

ベースとするシャツは日本製。海外製なら数百円で手に入りますが、このプロジェクトはスナワチご支援のお願いであり、国内メイカー支援も兼ねているので、品質のいいものを起用したいです。

以下はTシャツメイカーの説明です(私はシャツの専門家ではありませんので譲ります)。

  • 40双糸(細めの40番糸を2本撚り合わせて、20番単糸と同程度の太さをもたせた糸で編まれた生地です。強度を高めながら、細めの糸のなめらかさを持ちます)
  • コーマ糸(糸を生成する最終段階で、均一性を高めるために、コーミングという工程で余分な繊維を20%ほど取り除いた糸です)
  • 度詰め(糸から生地にしていく編みたて工程の糸テンションを一般より1クラス詰めて編み、生地目がきっちり詰まったもの)
  • 6オンス程度の厚み

「スナワチ」ロゴは、やや小さめにプリント。

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上着を着てもなんとなくロゴが見えるくらいのプリントサイズ

シルクスクリーンなので、仕上がりがきれいで、耐久性に優れています。

裾にはレザータグを縫い付けます。ウェットブルー・ポケットTでも使用する、「染色されていないから色落ちしようがない」という大発見なウォッシャブル・レザーです。独特のブルーは、皮をクロム鞣しする際の塩基性硫酸クロムの薬剤の色です。

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以下、正直なスナワチは、このTシャツの個人的によくないと思う点も挙げておきます。
不良品はもちろん交換しますが、購入前にご承知いただきたいです。

  • サイズが小さめです(後述)。身幅が狭く、着丈がやや長いように感じます。体の大きな男性には合うサイズがないかもしれません(比較的体の大きな男たちがまわりに多いので申し訳ないです)。
  • 生地はよいですが、縫製については若干甘い印象です。

こういうTシャツでよろしければ、ご希望の方に受注生産というかたちでお届けします。

■価格は、税込・送料込みで、5,500円です。

ここでも正直に申し上げますと、通常の製品として販売するなら、この品質、プリント、レザー縫付けの手間(つまりコスト)であれば、6000円以上にします。
「こういうときだし、しゃーないのう!」と気持ちよく言ってもらえる価格のつもりです……。

■サイズ選択について:
やや小さめです。ふだんMを着る私がLを着ています。
男性サイズです。女性でももちろん着用可能ですが、今回選択したメイカーに女性サイズの設定がなくてすみません。
洗うと若干縮みます。メイカー提供の「洗濯後、乾燥機使用」ののちの数値がこちらです。
※メイカーでは乾燥機仕様は、ぜんぜんおすすめしていません。

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不安がおありの方は、お気に入りのTシャツサイズとご比較ください。

■カラーは1色です。白ベースに黒プリント+ウェットブルー・タグ

■お支払いについて:
銀行口座振込(振込手数料がかかります)、PayPay、商品代引き(代引き手数料がかかります)の3通りが可能です。

■返品と交換について:
不良品は交換いたします。サイズが合わなかった、イメージとちがったなどの理由による返品は、今回に限ってはご容赦ください。
再度言いますが、ひとつ上のサイズがおすすめです。

■締め切りとお届け時期について:
第1回締め切りを「2020年4月1日の夕方6時」とさせていただきます。すぐ来ます。
そこから製造して、4月第3週にはお届けしたいと考えています(予定)。
ご希望者が少ない場合、第2回はありませんw

 

そんなわけで、ご希望の方は以下の情報を記載の上、メールをくださいませ。

①ご希望サイズ
②お支払い方法(それによりメール返信で詳細をご案内します)
③お届け先の郵便番号・住所・電話番号 ※レターパックでお送りします。
④お名前

送信先:info@sunawachi.com

以上です。

お問合せ、ご質問もメールでどうぞ。

どのお店も会社も助けてほしい状況だと思いますが、スナワチとしてはただなにかを恵んでもらうのではなく、お互いに「よかった!」と思える施策を打ちたくて、考えたプロジェクトです。

賛同くださる方々のご購入をお待ちいたします。よろしくお願いいたします。
Thank you very much in advance.

 

 

「愛せるモノを、持たないか?」
スナワチ大阪ストア
大阪市西区阿波座1-2-2
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「レザーは水に弱いのか」

レザー製品を手にしたお客さんから、
「水には弱いですか?」
と訊かれることがあります。

モノによるのですが、水には注意しなくてはならないレザーもあります。

レザーは、大きくはクロム鞣しとタンニン鞣しの2種類がありますが、鞣しの薬剤や染料、顔料、仕上げの方法などで無限のタイプがあるため、一概には言いにくいです。
が、一般的に、オイル分が多く含まれているレザーは水の影響を受けにくく、オイル分が少ないものは水ぶくれや水ジミができやすい傾向があるようです。

もしも、水ジミができてしまったら、固く絞った布で全体を拭き、自然乾燥させてやるのがいいかと思います。

スナワチでいうと、BMJ後藤氏が好んで起用する栃木レザーのこちらの革は、水滴を落とすと水ぶくれになってしまいます。

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時間がたつとやがて目立たなくなるので、あまり気にする必要はないのですが、新品を手にしたらどうしても気になってしまうのが人情というものです。

このレザーは鮮やかな発色と、滑らかな銀面(オモテ面)の輝きが特徴なのですが、仕上げの際にアイロン(といっても家庭にある洋服用とはちがい、大型のローラーの間を通す機械)で表面がピカピカになるように圧力をかけてあります。
さらにグレージングといって、ガラスで圧をかけつつ擦るというプロセスも経ています。

ご興味がある方は栃木レザー社の映像をどうぞ:
https://youtu.be/YkrIp2dCYHg

つまり革の線維がギューッと詰まった状態にされているわけです。
そこに水滴が落ちると、水分が浸透して、そこだけ緩んでしまいます。これが水ぶくれのように一部分が盛り上がってしまう原因です。

「時間がたつと目立たなくなる」と言ったのは、使っているうちに革の線維自体が全体的にほぐれてきますので、緩んだ水ぶくれ部分も、ほかと差異が少なくなるというわけです。

 

シボ(革のシワシワのこと)があるレザーは、傷やシミが見えにくいという利点があります。
最近、後藤さんはこのレザーを揉んで、自然なシボを生み出すということもしています。

その揉み方も、一方向に揉む、タテ・ヨコに揉む、ナナメも含めた全方向から揉む、というやり方によって異なるシボが表現されます。

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左が手揉みナシ、右が手揉みアリ

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タテとヨコ方向に揉んであります

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通常のアニリン仕上げレザー

さらに、牛の背中側は線維が細やかで、腹側は粗めなため、部位によっても揉んだことによって生まれるシボがちがいます。

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右:腹側のレザーを揉んで大きなシボが出たもの

手で揉むことも可能ですが、それ専用の道具もあり、キリシメンといいます。これを使うとより確実に体重が乗り、美しいシボをつくることができます。

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キリシメン

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右が揉んだレザー

強制的に線維をほぐしていることになるため、水滴による水ぶくれも抑止できます。

自然素材であるレザーの奥深さと面白さの一端を、こんなところからも感じていただければ幸いです。

Nothing like good leather. (いいレザーほど素敵なものはないぜ)

 

(了)

 

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「この時代にモノを売る人間が、モノについて語る②」

前回の続編として、革靴ブランド「Grant Stone」を販売する船中俊宏さんと、スナワチ前田将多の対談の模様をまとめます。

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このイベントでは、二人の「自慢の持ち物」も紹介しましたので、その一部を公開します。

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Rolex Submariner

船中:これは、30才の誕生日のときに買いました。20代は半分学生で、半分社会人だったんですけど(駐:船中氏は院卒かつ4月生まれのため、社会人になってすぐ26歳になる)、自分としては「いい加減に過ごしてきた時間だったなぁ」と反省したんですね。
30代は自分の人生の中で貴重な10年間になるような気がして、なにか思い切ったモノを買おうと、時間を大事にするんだという決意を込めて、このロレックスのサブマリーナーを買いました。

結果、僕は時計好きでもなんでもないので、これをずっと愛用していまして、これ以外はGショックくらいしかない。
振り返って、いま43なんですけど、30代の10年間がよかったかと訊かれると、自分としては「うーん……」というところはあります。でも、この時計を見たら、当時「時間を大事にしたいと思ってたな」という思いは常に蘇ってきます。

前田:えらい派手なやつを選びましたね、数あるロレックスの中で……。

船中:30才でこれ着けてたら「なんだこの人は」って目で見られましたね。

前田:しかもコンサルって職業で。

船中:そう、コンサルでスーツ着て、これ着けてたら嫌味でしかないですよね(笑)

でも、時計好きの人は「ええ時計してますね」って反応してくれました。
自分がおっさんになってきて、そろそろ似合ってきたかな、という頃合いですね。

 

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Rolex Submariner

前田:私もロレックス!
船中:ぶつけてきましたね(笑)

前田:これは2010年に発売された、ベゼルがセラミックになったグリーンのサブマリーナーなんです。僕にはケンタッキーにロブっていう親友がいて、その年に彼に息子が生まれたんですね。

彼はアイルランド系だから、ナショナルカラーであるグリーンを誇りにしている。
だから、僕がこの時計を10年15年使ってから、彼にあげて、彼がもう10年でも使えば、息子が大人になっているはず。

そのときに、就職なのか結婚なのかわからないけど、適当なタイミングで息子に渡す、っていうようなことができれば、この先10年20年と楽しめるかな、と思って買ったんです。

……いま2020年だから、もう10年たってるでしょ。

船中:はい。

前田:ぜんぜんあげたくないんですよ(笑)
まだまだ僕が使いたいですよ。

船中:僕もさっきの時計、一番上の子が男の子なんで、彼がハタチになったらあげたいなと思ってるんですけど……

前田:3人生まれちゃったじゃん(笑)

船中:大変ですよ(笑)

 

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COACH ショルダーバッグ

船中:「いいレザーのバッグがほしい」って、男性なら一回は思うことがあると思うんですけど、28のときに友人がサンフランシスコで挙式するという機会がありまして、ラスヴェガスまで遊びに行きました。そこのコーチの店で、これを見たんですね。
さっきのロレックス同様、ひと目惚れです。当時のレートで10万円くらい。「もう、買っちゃう!」って。

それ以来、旅行に行くときはずっとこれ使っています。新婚旅行ふくめて、過去の写真にはぜんぶこれが写っています。うしろもボロボロになってきて、色もあせてきていますが、道具として使い込んだ「価値」を感じています。

前田:立派ですね、15年も。

船中:私も、この仕事するまで革の専門家でもなんでもなかったので大した手入れもしてきていないのですが、ええモノはケアしなくてもまぁまぁもつんですね(もちろんケアした方がもちますけど)。

当時の自分としては10万円というのは大きい。「これはいかん」と、ラスヴェガスですから、その分をカジノで取り返そうとしたんですね。
この先はみなさんわかると思うんですけど、はい、おんなじ額を負けました。ですから、結果、20万したバッグなんです(笑)

 

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Grant Stone Longwing Dune Chromexel

船中:Grant Stoneの1足目でした、ロングウィングDuneのクロムエクセル。

www.getgoing.co.jp

今でも、はじめてこれを履いたときの感覚というのは頭に残っています。
Grant Stoneというブランドを(日本で)自分でやりたい、ということではなくて、最初はただ「かっこいいからほしい」と思っただけなんですね。
日本で販売店がなかったから、アメリカ本国とやりとりをして「送ってくれ」ということで受け取った靴を履いたときは「なんじゃこの靴は!」と感動しました。

僕も靴は30足くらいは持ってるのですが、こんな靴、履いたことないな、というフィット感がありました。

前田:ほおぉ。

船中:ちょうどそのとき、なんか起業できないだろうかという気持ちがあったこともあり、届いて、履いて、次の瞬間にGrant Stone(のワイアット・ギルモア氏)に「これ、日本で売らせてくれへんか」と、メール送ったんです。
はじめは向こうは「なに言うてんねん」みたいな反応でしたけど……

前田:アメリカ人ですもんね、向こうは。

船中:はい、とにかく「売らせてくれ!」って、10月に靴買って、翌年1月に中国の厦門(アモイ)の工場に行って、2月に会社を立ち上げて、5月には販売を開始してました。

前田:ふ~ん(……オレ以上のアホやな)。

ギルモア家は元々オールデンに勤めてたんですよね?

船中:お父ちゃんとおじいちゃんがオールデンのセールスマン。

前田:(お客さんに)オールデンてわかります? アメリカを代表する老舗革靴ブランドです。

船中:セールスマンと聞いてたんですけど、実際は木型を開発したり、中国の工場にアドバイザーとして行ったり、「ホントにセールスマンなんかな?」という感じはします。

前田:あぁ、昔はひとりがいろんなことやったんでしょうね。今みたいに細分化されてなくて。

中国で作ってる、というと舐められる気はしますけど、船中さんのFacebookで見た写真では、厦門って都会ですね。

船中:超都会です。一時イギリスの租界になっていて、西洋風の街並みが残っていますね。

さっきのワイアットは中国に7年くらいいて、私は生まれてはじめて中国語を話す白人を見て驚愕しました。

 

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船中:うちの靴(Grant Stone)、中国製なんですよ。やっぱり「え、中国製なん? 日本製ちゃうの?」って言われるんですけど、Made in どこ、というのは品質を保証するものではないはずなんですよ。

前田:はい。それはカバン業界でも思います。

船中:「Made in Japanだから品質がいい」と謳ってる会社には、まずそれを疑ってみた方がいいです!

前田:はい、はい(大きくうなずく)。

船中:Made in Japanだからいい、というのは、これまでがんばってきた人たちの成果であって、それを引き継いでがんばればいいものができるのでしょうけど、無条件に品質を保証するものではありません。もちろん、それは中国も一緒です。

Made in Chinaってだけで「安っぽいよなぁ」とか言われると、「いわしたろか、こいつ」と思いますね(笑)

前田:そう、僕も前に船中さんとGrant Stoneというブランドをプロモートする際にはMade in Chinaは克服すべきハードルになるよねって、話したことがありましたけど、考えてみれば、あの国、14億人いるわけでしょ。
日本人てめちゃめちゃ多いのに、その10倍じゃきかない人たちがいるわけだから、そりゃ工場のクオリティもピンキリなわけですよね。

厦門の工場はピンに近い?

船中:トップです。
Made in Japanて、品質のレンジ(幅)が(首から胸くらいに手を広げて)これくらいなんですよ。Made in Chinaは、(頭からお腹くらいを指して)こんななんです。

そのピラミッド型の裾野が広いから品質が悪いと思われるけど、「トップを見てください。日本、抜かれてますよ!」というのは、コンサルの仕事でもよく言うんです。

レンジもでかければ、ヴォリュームもでかい。

前田: そうですか。

船中:ですから、「Made in なんちゃらにこだわるのはやめた方がいいですよー」って言うんです。

前田:それはね、僕の仕事仲間の革製品作ってる人たちも言いますね。
Made in Japanが飽和していて、大手なんかがウソをついてるし。

船中:そう! ウソついてる。

前田:最後の工程だけ日本でやって「はい、メイド・イン・ジャパンでございます」って。ほんまに、インチキまかり通りますよ。

船中:えぇ……、コレ言っていいのかわかりませんが……

前田:いいんじゃないですか!(笑)

船中:日本製といってる靴でも、靴底だけ貼らずに輸入してきて、国内で靴底貼って「メイド・イン・ジャパン」て言ってる会社もフツーにあると聞きます。

前田:はぁ。

船中:これは、イタリアとかでもおんなじなんです。中国で作って、最後にタグだけ付けて「イタリア製」。ということは、はじめからMade in Chinaって言ってる方が誠実なんちゃうか、と。騙してない。

前田:確かにね……。Grant Stoneは「メイド・イン・厦門」って書いてますよね。あれがまたいいですね。

船中:はい、Made in Xiamen(シァメン)ね。チャイナが嫌だというネガティブな理由ではなくて、厦門の誇りを持って、モノづくりをしているということです。

前田:いいと思います。「Made in Kyoto(京都)」って書いてあると、なんかイラっときますけどね。

船中:わははは!

前田:あれはなんなんでしょうね(笑)

会場爆笑

 

(了)

 

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「この時代にモノを売る人間が、モノについて語る①」

去る2020年1月某日に、革靴ブランド「Grant Stone」を取り扱うゲットゴーイング社の船中俊宏氏と、スナワチ前田将多が対談イベントをしましたので、その一部をここでご紹介いたします。

この会は、ゲットゴーイング主催の「タシナム+タノシム」と題された試着販売イベントだったのですが、我々は表題のようなテーマで1時間お話ししたのでした。

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船中俊宏(ふななか としひろ) 合同会社ゲットゴーイング 代表

1976年生まれ
京都大学大学院を修了後、株式会社ディスコに入社。
機械系エンジニアとしてキャリアをスタート。
以降、複数の製造業を経て、2012年よりコンサルタントに従事。

2016年に退社、合同会社ゲットゴーイングを設立
Twitter: @get_going_inc

 

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前田将多(まえだ しょうた) 株式会社スナワチ代表/コラムニスト

1975年生まれ
ウェスタン・ケンタッキー大学卒業、法政大学大学院中退
2001年、株式会社電通に入社
関西支社で主にコピーライターとして勤務し、2015年に退職
カナダの牧場で、ひと夏カウボーイとして働いた

2018年、大阪にレザー専門店「スナワチ大阪ストア」を開設
Twitter: @monthly_shota

  ■「モノの価値とは」

船中:「モノの価値ってなんなんだろう」と、改めて考えてみたんですね。
たとえば、私は靴を販売しているんですけど、モノとしての価値というのがもちろんあります。だいたい5、6万円くらいです。
それは、単純に靴の「物」としての価値。

私の会社のスローガンというのは「出かける準備は出来ているか」で、靴とは関係ない言葉なんですね。
前田さんのスナワチも「愛せるモノを、持たないか?」でしたね。

それって実は、モノを買って所有した「あと」の話なんですね。

靴というのは「道具」だと思っています。
靴屋言ってはいけないことですけど、靴なんて、たかが靴なんです。その、たかが靴に、情熱を注いで作っている人がいて、それを感じとって売る人間がいる。それを買った方が、道具として使って、歩く先でどういう経験をしていってもらうか、そこにモノの価値が本当はあるのではないか。

前田:そうですね。僕ら含めて、モノを売る側の人間というのは、「この商品はこういう素材でこういうふうに作られていて、こういう価値があります」という話を、せざるを得ないんだけど、本当は、買った人がそれをどう使うか、それとどう生きるかが価値、であると。

船中:コスト・パフォーマンスという言葉が僕は大嫌いなんですね。それはモノを買うまでの話なんです。買って、飽きずに何十年と履いて、修理して履いて、道具として使っていったら、それはその人の価値なんです。

モノの価値というのは、その人がどう使いこなすかというところに、本当はあるのではないかと思います。

前田:ふむ。 

船中:これは「自分が余裕をもって使える金額」にもかかわる話で、それが10万円の人は、10万円の靴買ってガンガン履けるじゃないですか。僕なんか、10万円の靴を手にしても、大事に履こうとする。その結果、道具として使いこなせないんですよね。それは本来のモノの価値とズレてるなぁ、と過去の経験上、思うなぁ。

だから、自分がそれをガンガン使えるくらいの金額であったり、「よし、十年後にはちゃんとしたのを買うぞ」っていうモチベーションになったり、そういうところにもモノの価値ってあるんじゃないかな、と思います。

 

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■「モノと記憶」 ヒト・コト・トキをつなげる

船中:たとえば、腕時計を見て「これを買ったころ、こう思ってたな」と思い出すし、靴を履いて「これでどこに行ったな」とか、「このカバン持ってどこへ行ったなぁ」と思い出す。

今回のイベントのタイトルに「タシナム」という言葉がありますが、身だしなみというのもタシナムのひとつですね。

「今日は誰誰と会うから、こういう格好で行こう」と考えながら、道具として身にまとう、その積み重ねというのが、記憶として残ってくる。

ネクタイひとつとっても「今日は勝負プレゼンがあるから、気合の赤だ」とか、トランプ大統領もここぞというときは赤ですね。

モノと記憶を結びつけることも、さっきの「価値」にもつながってくるのだと思います。

前田:その通りですね……。僕もこの革ジャン着て、バイクであそこ行ったなぁ、ツーリングであそこ行ったなぁ、って思い出しますもんね。それによって、僕にとってこの革ジャンの価値がますます上がりますから。

船中:「おしゃれ」について言うと、靴なんて全身の面積からいえば5%くらいでしょうか。靴履いて「おしゃれ」になんかなるわけないんですよ。

でも、僕はおしゃれについて質問されたら「まずはいい靴を買いなさい」って言うんですけど。

前田:あ、僕は「いいカバンを持ちなさい」って言います(笑)

船中:そこはエゴが出ちゃう(笑)

でも、いい靴を履くとなにがいいかって「姿勢がよくなる」んですね。

スニーカーがだめってわけじゃないですけど、スニーカーは靴が人に合わせてくれるんです。どんだけ雑に履いても歩けちゃう。
でも、女性でいえばパンプスとかヒール、男性なら革靴ってのは、人が靴に合わせるんですよ。だから、きちんとフィッティングして、きちんと靴ヒモを結んで履いたら、靴はなんと、姿勢をよくしてくれるんです。

どんだけ高価なスーツを着ても、猫背だったら一発でかっこ悪くなるんですよ。
だから、靴はファーストチョイス。

革靴ってのは痛いとか疲れるとか思われていて、スーツもみんな着なくなってきて、政府までスニーカー通勤を奨励しだす始末。鈴木大地スポーツ庁長官)だから「階段を上がれ」とか言いますけど、ふつうのおっちゃんに階段上がらせたら死んじゃうんで(笑)

まずは歩きましょうくらいから始めたらいいんですよ。僕は、革靴で最高3万5千歩までいきました。今でも一日平均で1万歩は超えるくらいです。

前田:すごいですね……。

船中:歩くというのは、健康にも直結してますしね。

そうそう、直接関係ないかもしれませんけど、コンサルしてるときに頭がもやもやすることがあるんですよ。コピーライターもそうかもしれません。頭がこんがらかって。
そういうとき、歩くといいです。
歩くと、無駄なものがどんどん削がれて、「よし、こうしよう」って、ポン! と答えが出てきますね。だから、しょっちゅう「散歩いってきます」って会社抜けだしてました。

前田:村上春樹も、ジョギングするのは、走りながら考えを整理してるって書いてましたわ、たしか。

船中:スティーブ・ジョブスも、ウォーキング・ミーティングとかしてましたね。

 

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■「なんでこの仕事を選んだのか」
前田:船中さん、なんでこの仕事をはじめたんですか。
ぜったい言われますやん。ブリヂストンに勤めてたとか、京大の工学部で院まで行ったのに、「なんで靴屋やってんの?」って。
船中:めっちゃ言われますね。それは、ひとつには、子供に自分が働く姿をどう見せていくかというのを意識したからなんです。「今のままじゃマズいな」という気持ちはありました。
前田:なんなんでしょうね、それは。儲かってたんじゃないんですか? コンサルの会社にいたんだから。

船中:まぁ、儲かってたかどうかは、子供には関係ないですからね(笑)
ずっと眉間にシワが寄ってるような状態で、寝てもぱっと起きて仕事をしたりとか、ざっくり言うと病んでる、ですよね。それはちょっと、子供に見せたくない、と。

振り返ると、一族が商売人の家系だったもので、高卒中卒の中で、兄貴がはじめて大卒、そして僕は院卒。めっちゃ浮いたんですね。「こいつはバカか」って(笑)

サラリーマンやってるのが異常で、商売するのがスタンダードという特殊な環境だったので、自分も「あ、商売したいな」と思いました。

あとづけのように色々言うことはできるのですが、直接的にはもっと短絡的な話で、「つらい!」「逃げたい!」「新しいことしたい!」、という、ある種、負けに負けてたどり着いた道……。

前田:それは、一番悩んでたのは何才くらいなんですか?

船中: 30代はずっと悩んでましたよ。コンサルの前の仕事してたときから、32くらいで。そして、35で悩んで、37で悩んで……。

前田:ミッドライフ・クライシスが早かったんですね。
「ミッドライフ・クライシス」というのは、30代後半から40あたりで一度、男というのは(女の人はわからないけど)人生に悩むものなんですよ。「このままこれをしていていいのか」と、はたと立ち止まるんですって。それで、仕事を変える人もいれば、人生、もしくは家族に対する態度を改めたりっていう、方向転換を迫られる時期があるらしいので、若い人は覚悟しておいてください!

僕も、電通辞めてカウボーイやったりしたのは、振り返ればミッドライフ・クライシスだったんだろうなと思います。

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船中:いま、僕の使命としてすごく思ってるのは、「一人でも多く、かっこいい大人を世に出したい」。べつに、身だしなみレベルの話でいいんで。
前田:それはホントにねぇ、つらい道、しんどい道ですよ。だってさぁ、世の中かっこ悪い男ばっかじゃん(笑)

船中:そうですよ。

前田:商売しようと思ったら、「かっこ悪い人間に、しょーもないモノを売る」というのが一番儲かるんじゃないの? かっこいい男にかっこいいモノを売ろうなんて思ったら、「お客さんどこにおんねん……」て、どこ探していいかわからない。
いばらの道ですよ。

船中:いばらの道ですね。でも、だからこそ自分がやる意義があるというか、左団扇で「なんか、Grant Stone、儲かったな……」ってなったら、それはそれで面白くないんですよね。

僕が伝えられるところはお伝えして、理解してもらって、靴を道具として履いてもらった結果、かっこいい大人に増えてもらえれば、子育てをする大人としてはうれしいな、と。
子供に「大人になりたい」と思ってもらえる社会って健全だと思うんですよ。
いまのね、ツイッター見てると「誰が大人になりたい思うねん」て、かわいそうだなぁって。

前田:そうですね、日本人がネガティブすぎるのかもしれないけど、「いや、大人になってからの方がずっとたのしいよ」って言いたいですよね。
船中:はい、たのしいです。

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 今回はここまでです。

つづきが書けそうならまた書きます…。

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「今年もいろんなモノつくりました」

今年もいろいろオーダーをいただいてつくったなぁ~。
ということで、感謝を込めて、つくった自慢です。

誤解のなきよう書いておきますと、私はクラフツマンではありませんから、手を動かしたわけではありません。

クラフツマンという仕事人は往々にして、コミュニケーションは苦手です。

私は「……であれば、これはすなわち、こういうことですね?」とハナシをカタチにする、ビジョンを物体にする役割です。ですから、スナワチです。

 

①後藤さんのショルダーバッグ

後藤さんは前回の正月休みの間、実家がある大分県に帰ることもなく、自分用のカバンをせっせとつくっていました。

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手前にあるのはオーダーで出来たてのポーチバッグ

約1年たって、いまではこんないい色になりました。米国で1881年に創業したハーマンオークレザー社の、染料の入っていないレザーです。

あ、いきなりこれはオレぜんぜん関係なかったわ……。

 

②Mさんのロングウォレット

長財布をオーダーいただいた際に、「一部でもいいから、自分でつくりたい」というご希望を受けて、何回かに分けて後藤さんが指導しつつ完成させた財布です。

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作業をするMさん

「後藤優太レザーワークショップ」を木&日の週2回開催するようになったきっかけでもあります。

 

③Jさんのシューズバッグ

社交ダンサーさんからのご依頼でつくったシューズバッグ。仕事道具である大事なシューズをこれに入れて、各地を転戦するそうです。
お届けしてから10ヶ月たって先日再会し見せていただきましたときには、きれいにお使いいただいていてうれしかったものです。

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④Iさんの”Earth”

4色のレザーを使っておもて面うら面でちがう表情をたのしめるカバン。
発案は依頼主で、かたちにしてみたらこのような美しいカバンに出来上がりましたので、なんとなく「Earth」と名付けました。 

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⑤ビジネスバッグあれこれ

お仕事用のバッグを、男性用女性用ともにいくつも製作しました。

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モデル:後藤名人

世の中の仕事の数だけ、カバンのタイプがあってもいいですよね……。

 

⑥Oさんのカバン

観劇が趣味のOさんより、お出かけ用バッグをご依頼いただき、後藤さんの得意技でもある口金バッグをつくりました。既成の口金ではなく、自由なサイズ設定を可能にするため、アルミ板を切ることから製作がはじまります。

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Oさんが過去にオーダーくださったお財布と

⑦レザーポケットT

オーダーでつくったわけではないけど、つくったことには変わりありませんし、あんまりステキなので載せます。来夏もつくろうっと。

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⑧おじさまのバッグ

以降3つは、KIGOブランドを運営する金魚製鞄 内山さんと組んで製作したものです。

「お世話になった方の還暦の祝いに」と、女性3人が費用を出し合って依頼をくださったセカンドバッグ。
おじさんがたまに使っている感じのバッグですが、これが内山さんの手にかかればこの通り。

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こんなの美女たちからもらったらデレデレになっちゃうよね……。

 

⑨社長さんのボストンバッグ

一度小さなお仕事に応えたところ、大きなお仕事をまた依頼してくださったとある社長さん。
社長って人種はオラオラ系な人も多いですが、こちらの(70代?)紳士は実に穏やかで辛抱づよく、お話ししていてうれしくなる方でした。

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ゴルフや小旅行用のボストン

⑩縦横いけるビジネスバッグ

大物の納品としては今年最後になったビジネスバッグ。
「縦にも横にも使えて、リュックとして背負えるバッグ」という高度なオーダーでした。

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2種類のグリーンの組み合わせが鮮やかで、柔らかいカーフ(生後半年以内の仔牛)でできています。

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以上です。

「私もオーダーしたのに載っていない!」という方はすみません。もちろん我々は忘れてはおりません。
が、紙幅の関係で……、ということでご容赦ください。今回はバッグ中心にいきました。
たくさんのオーダーをいただきまして、私も後藤さんも感謝に堪えません。

「ひとつ開発したら〇万ダウンロードされる」「××に投資したら〇%成長した」というのがビジネスです。1個つくって、売ったら手元から消えて、また1個つくるなんてのは、現代人のやることではないのかもしれません。

 でも、やるんだよ! 世界は、人とモノでできているんだよ。

ということで、トークイベントします。
グラントストーンという革靴を扱う船中俊宏さんと、スナワチ前田将多で、以下のテーマでお話しします。是非ご予定ください。

タノシム+タシナム この時代にモノを売る人間が、モノについて語る』
2020年1月19日(日) 3PMから1時間
本町フリースペース「rassombler ラソンブレ」
大阪市中央区北久宝寺町4丁目3-12 2F
ご参加無料

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Merry Christmas. See you there. 

「愛せるモノを、持たないか?」
スナワチ大阪ストア
大阪市西区阿波座1-2-2
06-6616-9626
sunawachi.com

「ウェットフォーミングでつくったカバン」

スナワチてんちょうのじょーじです。

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あいかわらずショータはちこくしたり、ごはんたべたり、ゆーびんきょくいったり、あわただしくしてるのでレザーこらむはボクがかきます。

ゴトウがすごいカバンをつくりましたので、できたけいいをごしょうかいします。

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ゆうじんのカラキからとーとバッグをつくってほしいというイライをもらい、ゴトウはうけました。
うけるというのは「う~け~る~w」と大わらいしたではなくて、つつしんでおうけしたという意ミです(慌てて社長註:敬称略です。ジョージはどなたでも呼び捨てにします)。

ゴトウは、
「それならおもしろいほーほーがありますよ。……ただし、それにはカラキの協力がひつようです。ふっふっふ」
とブキミに目をひからせたそうです。ゴトウは、つねづねあたまに思いえがいていた、かわったほーほーをさいようすることにしたゴトウです。でした。

それは、ウェットふぉーみんぐというぎほーでカバンの底をつくるのです。

ここでボクちょっときゅーけーな。つかれたし。 

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……なんのハナシだっけ?

そうそう、カバンの底はレザーが角どがきつく折られて、ぬい合せてあるところにふたんがかかりやすい上、おいたときに地めんにあたってキズつきやすいんです。そこから壊れることがおおいようです。ぜんぶゴトウのうけうりなのでしらんけど。

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こういうところが破れたり剥げたりしやすいですね

だから、底がひとつのぱーつでできているカバンをつくれないか。そのためウェットなんとかでぎゅーっと革をまげてみよう、というのがもくろみです。

そのためには木ガタがいります。でもそんなものは売っていません。

カラキはうってつけのヒトなのです。

カラキはかいしゃ員ですが、えんすーじあすてぃっくなサーふぁーで、でぃーあいわいのタツジンです(社長註:enthusiastic = 熱心な、です)。 

なんとゴトウとそーだんをかさね、木ガタをよういしてくれました。

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ゴトウはまず2枚がさねのレザーを水にひたしてびちゃびちゃにし、木ガタにまきつけて固定しようとしました。
クギでうっちゃうということもありえましたが、木ガタが穴だらけになるので、ゴトウは、レザーにぱんち穴をあけてヒモでしばるほーほーでやってみました。

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これが、めちゃくちゃたいへんだったみたいでした。
じょうぶなレザーも、さすがにびちゃびちゃでは弱くて、ヒモをぎゅーすると、ぶちーってやぶれちゃうのです。
でも、ぎゅーしないとちゃんとかたちがつきませんから、できるかぎりぎゅーする、ぶちーっなるというくりかえしで、その日は午後じゅう「あぁー!」とか「うわー!」とかゴトウの苦モンのこえが聞こえてきました。

レザーの染料がしみて、ゴトウの手はまっくろでしたが、なんとかシワものばして、ぐるぐるにしばることができました。

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あとはほーちです。革のセンイの中までぬらしてますから、すぐにはかわきません。3日くらいおいておきましたっけね。

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かわいたらカットして、まるいところだけつかいます。

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ちょっとタイム。おもいだしただけでくだびれたよ、ボクは……。

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はい、できました。とちゅうははしょったけど、できたよ。
これはオーイェー! です。

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ぶらっく&ぶらっくですし、一見ハデさはありませんが、よく見たら「どーなってんのコレ」というカバンです。

カラキもとてもよろこんでくれたみたいでよかったです。

 ゴトウはもうつくりたくなさそうですが、木ガタはありますから、ごしょもうのおきゃくさんがいらしたら、ボクがてんちょうとして、ゴトウをしばきたおしてつくらせますよ。

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ナントカペイ的なサービスに、店舗から思うこと

今回はレザーの話ではありませんが、あまり語られていないし、一般の方は気にもしないであろう店舗の立場から見た電子決済サービスについてのコラムです。

 

電子決済サービスの会社が乱立して、わけがわからなくなってきています。飽和状態です。
お店をやっている人なら誰しもそうでしょうけど、あちこちの会社や代理店から電話がかかってきて、「うちのサービスを導入してほしい」と営業をかけてきます。

ちょっと前なら、決済サービスごとにカードの読取端末があって、お店によってはそれらデバイスでゴチャゴチャになったものでしょう。
最近はスマホQRコードを読み取らせるシステムが増えて、乱雑さは軽減されてきたかもしれません。

ユーザーからしたら、スマホだけ持っていればモノが買えて、キャッシュバックやほぼそのままお金として使えるポイントが貯まったりして、便利なものです。

 

しかし、私のまわりの個人経営のお店をやっている人たちは総じて消極的です。
なぜなのでしょう。

現金は現金で、用意するのは結構な手間がかかります。そして、両替して小銭を用意するのは無料ではないのです。私は先日、100円玉たったの5枚が必要になり、500円玉を持って三菱UFJ銀行に行きました。
すると、驚いたことに「500円玉を100円玉5枚に両替するには、手数料540円がかかります」と言われました。

「それ、本気で言ってるんですか?」

帰り道、私は500円玉を乗せた手をじっと見るほかありませんでした……。

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両替カードという専用のカードをつくると無料なのですが、それも「10枚まで」といいます。100円玉を10円玉10枚にしたら終わりです。毎度そんなので済むわけないじゃないですか。

だったら電子決済に移行した方がよさそうですが、たとえばクレジットカードは、店側が手数料というものをカード会社に取られます。だいたい3%前後です。
これはなにかというと「いま手持ちの現金がないお客さんが、あなたの店に支払う3万円(例)をカード会社が保証します。つまり、そのお客さんがのちに3万円払えなくても、お店にはその額をカード会社から払います」というその保証手数料です。

100円、200円の商品を売っているお店なら、「そんな小さな個々の会計を保証してくれなくていいから、現金で払ってほしい」と当然考えます。そのため「カードのご使用は○千円以上からでお願いします」というところもあります。

 

ところが、最近の電子決済サービスの中には「決済手数料0円」というものもあります。
ソフトバンクグループのPayPay(2021年9月30日までの予定)、auau PAY('21年7月31日までの予定)、LINE社のLINE Pay('21年7月31日までの予定)など。

これまた店の立場から言いますと「当然だろ」という気がします。なぜなら、彼ら電子決済サービス会社は、個人データを集めて、解析可能なビッグデータにして企業に販売するのが目的だからです。

お客さんと店の間の買い物(取引)の間に割り込んできて、手数料を店から取り、お客さんからはデータを取り、それを企業に売ってまたおカネを取るという、取る、取る、取ることばかりの仕組みです。
ユーザー獲得競争が熾烈ですから、お客さん(消費者)にはキャッシュバックなど様々な派手な施策が行われていますが、店舗に対しては契約さえ取ってしまえば、あとはメールや電話で質問しても定型文のような返信や返答があるだけです。

担当営業としてやってくるのは世間の仕組みや、商売への理解などない若い子がほとんどで、1件契約を取ってくれば○円という歩合でやっているのでしょう。ヘタな鉄砲数打ちゃ当たる方式です。

世の中の最新の動きを知るためにも、私は何社かは導入しましたが、結局店舗がQRコードだらけになって迷惑なので、見えるところに置いてないものもあります。

 

リスペクトがない。

これが私の感想です。

自分のところのサービスを押し付けるのに必死で、政府挙げてのキャッシュレス化推進の一環でもあるから官軍気分なのでしょうか。

店舗に対して
「うちのサービスを置きたかったら、登記簿謄本を提出してください。審査します」
のように、
「いや、君が私のことを知らないように、私も君の会社など知らんぞ。謄本見せんかい」
と言いたくなる事例もありました。
架空の店舗をでっち上げて「契約取れました!」と報告する悪質な代理店(のスタッフ)も中にはあるという事情はわかりますが、お互いの関係というものをまったくわかっていない様子です。

 

今はビッグデータを獲得したものが世界を征する時代です。
しかし、データというのは、海に網を投げたらガサー! っと獲れるものではなく、あなたがたにはまったく関係のない人が、うちのような個々のお店の商品やサービスに惚れてくださって、お金とモノを等価交換した喜ばしい関係の間から生まれているということを忘れないでもらいたいと思います。

古い人間と言われようが、頭が悪いと思われようが、そういう愛情と感謝を日々感じたくてやっているのです。

 

 

「愛せるモノを、持たないか?」

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文責:前田将多