sunawachi.com「レザー・コラム」

レザーにまつわるあれこれを不定期で書く、sunawachi.comのコラム

「今年もいろんなモノつくりました」

今年もいろいろオーダーをいただいてつくったなぁ~。
ということで、感謝を込めて、つくった自慢です。

誤解のなきよう書いておきますと、私はクラフツマンではありませんから、手を動かしたわけではありません。

クラフツマンという仕事人は往々にして、コミュニケーションは苦手です。

私は「……であれば、これはすなわち、こういうことですね?」とハナシをカタチにする、ビジョンを物体にする役割です。ですから、スナワチです。

 

①後藤さんのショルダーバッグ

後藤さんは前回の正月休みの間、実家がある大分県に帰ることもなく、自分用のカバンをせっせとつくっていました。

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手前にあるのはオーダーで出来たてのポーチバッグ

約1年たって、いまではこんないい色になりました。米国で1881年に創業したハーマンオークレザー社の、染料の入っていないレザーです。

あ、いきなりこれはオレぜんぜん関係なかったわ……。

 

②Mさんのロングウォレット

長財布をオーダーいただいた際に、「一部でもいいから、自分でつくりたい」というご希望を受けて、何回かに分けて後藤さんが指導しつつ完成させた財布です。

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作業をするMさん

「後藤優太レザーワークショップ」を木&日の週2回開催するようになったきっかけでもあります。

 

③Jさんのシューズバッグ

社交ダンサーさんからのご依頼でつくったシューズバッグ。仕事道具である大事なシューズをこれに入れて、各地を転戦するそうです。
お届けしてから10ヶ月たって先日再会し見せていただきましたときには、きれいにお使いいただいていてうれしかったものです。

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④Iさんの”Earth”

4色のレザーを使っておもて面うら面でちがう表情をたのしめるカバン。
発案は依頼主で、かたちにしてみたらこのような美しいカバンに出来上がりましたので、なんとなく「Earth」と名付けました。 

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⑤ビジネスバッグあれこれ

お仕事用のバッグを、男性用女性用ともにいくつも製作しました。

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モデル:後藤名人

世の中の仕事の数だけ、カバンのタイプがあってもいいですよね……。

 

⑥Oさんのカバン

観劇が趣味のOさんより、お出かけ用バッグをご依頼いただき、後藤さんの得意技でもある口金バッグをつくりました。既成の口金ではなく、自由なサイズ設定を可能にするため、アルミ板を切ることから製作がはじまります。

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Oさんが過去にオーダーくださったお財布と

⑦レザーポケットT

オーダーでつくったわけではないけど、つくったことには変わりありませんし、あんまりステキなので載せます。来夏もつくろうっと。

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⑧おじさまのバッグ

以降3つは、KIGOブランドを運営する金魚製鞄 内山さんと組んで製作したものです。

「お世話になった方の還暦の祝いに」と、女性3人が費用を出し合って依頼をくださったセカンドバッグ。
おじさんがたまに使っている感じのバッグですが、これが内山さんの手にかかればこの通り。

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こんなの美女たちからもらったらデレデレになっちゃうよね……。

 

⑨社長さんのボストンバッグ

一度小さなお仕事に応えたところ、大きなお仕事をまた依頼してくださったとある社長さん。
社長って人種はオラオラ系な人も多いですが、こちらの(70代?)紳士は実に穏やかで辛抱づよく、お話ししていてうれしくなる方でした。

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ゴルフや小旅行用のボストン

⑩縦横いけるビジネスバッグ

大物の納品としては今年最後になったビジネスバッグ。
「縦にも横にも使えて、リュックとして背負えるバッグ」という高度なオーダーでした。

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2種類のグリーンの組み合わせが鮮やかで、柔らかいカーフ(生後半年以内の仔牛)でできています。

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以上です。

「私もオーダーしたのに載っていない!」という方はすみません。もちろん我々は忘れてはおりません。
が、紙幅の関係で……、ということでご容赦ください。今回はバッグ中心にいきました。
たくさんのオーダーをいただきまして、私も後藤さんも感謝に堪えません。

「ひとつ開発したら〇万ダウンロードされる」「××に投資したら〇%成長した」というのがビジネスです。1個つくって、売ったら手元から消えて、また1個つくるなんてのは、現代人のやることではないのかもしれません。

 でも、やるんだよ! 世界は、人とモノでできているんだよ。

ということで、トークイベントします。
グラントストーンという革靴を扱う船中俊宏さんと、スナワチ前田将多で、以下のテーマでお話しします。是非ご予定ください。

タノシム+タシナム この時代にモノを売る人間が、モノについて語る』
2020年1月19日(日) 3PMから1時間
本町フリースペース「rassombler ラソンブレ」
大阪市中央区北久宝寺町4丁目3-12 2F
ご参加無料

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Merry Christmas. See you there. 

「愛せるモノを、持たないか?」
スナワチ大阪ストア
大阪市西区阿波座1-2-2
06-6616-9626
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「ウェットフォーミングでつくったカバン」

スナワチてんちょうのじょーじです。

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あいかわらずショータはちこくしたり、ごはんたべたり、ゆーびんきょくいったり、あわただしくしてるのでレザーこらむはボクがかきます。

ゴトウがすごいカバンをつくりましたので、できたけいいをごしょうかいします。

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ゆうじんのカラキからとーとバッグをつくってほしいというイライをもらい、ゴトウはうけました。
うけるというのは「う~け~る~w」と大わらいしたではなくて、つつしんでおうけしたという意ミです(慌てて社長註:敬称略です。ジョージはどなたでも呼び捨てにします)。

ゴトウは、
「それならおもしろいほーほーがありますよ。……ただし、それにはカラキの協力がひつようです。ふっふっふ」
とブキミに目をひからせたそうです。ゴトウは、つねづねあたまに思いえがいていた、かわったほーほーをさいようすることにしたゴトウです。でした。

それは、ウェットふぉーみんぐというぎほーでカバンの底をつくるのです。

ここでボクちょっときゅーけーな。つかれたし。 

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……なんのハナシだっけ?

そうそう、カバンの底はレザーが角どがきつく折られて、ぬい合せてあるところにふたんがかかりやすい上、おいたときに地めんにあたってキズつきやすいんです。そこから壊れることがおおいようです。ぜんぶゴトウのうけうりなのでしらんけど。

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こういうところが破れたり剥げたりしやすいですね

だから、底がひとつのぱーつでできているカバンをつくれないか。そのためウェットなんとかでぎゅーっと革をまげてみよう、というのがもくろみです。

そのためには木ガタがいります。でもそんなものは売っていません。

カラキはうってつけのヒトなのです。

カラキはかいしゃ員ですが、えんすーじあすてぃっくなサーふぁーで、でぃーあいわいのタツジンです(社長註:enthusiastic = 熱心な、です)。 

なんとゴトウとそーだんをかさね、木ガタをよういしてくれました。

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ゴトウはまず2枚がさねのレザーを水にひたしてびちゃびちゃにし、木ガタにまきつけて固定しようとしました。
クギでうっちゃうということもありえましたが、木ガタが穴だらけになるので、ゴトウは、レザーにぱんち穴をあけてヒモでしばるほーほーでやってみました。

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これが、めちゃくちゃたいへんだったみたいでした。
じょうぶなレザーも、さすがにびちゃびちゃでは弱くて、ヒモをぎゅーすると、ぶちーってやぶれちゃうのです。
でも、ぎゅーしないとちゃんとかたちがつきませんから、できるかぎりぎゅーする、ぶちーっなるというくりかえしで、その日は午後じゅう「あぁー!」とか「うわー!」とかゴトウの苦モンのこえが聞こえてきました。

レザーの染料がしみて、ゴトウの手はまっくろでしたが、なんとかシワものばして、ぐるぐるにしばることができました。

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あとはほーちです。革のセンイの中までぬらしてますから、すぐにはかわきません。3日くらいおいておきましたっけね。

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かわいたらカットして、まるいところだけつかいます。

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ちょっとタイム。おもいだしただけでくだびれたよ、ボクは……。

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はい、できました。とちゅうははしょったけど、できたよ。
これはオーイェー! です。

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ぶらっく&ぶらっくですし、一見ハデさはありませんが、よく見たら「どーなってんのコレ」というカバンです。

カラキもとてもよろこんでくれたみたいでよかったです。

 ゴトウはもうつくりたくなさそうですが、木ガタはありますから、ごしょもうのおきゃくさんがいらしたら、ボクがてんちょうとして、ゴトウをしばきたおしてつくらせますよ。

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「愛せるモノを、持たないか?」

スナワチ大阪ストア
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ナントカペイ的なサービスに、店舗から思うこと

今回はレザーの話ではありませんが、あまり語られていないし、一般の方は気にもしないであろう店舗の立場から見た電子決済サービスについてのコラムです。

 

電子決済サービスの会社が乱立して、わけがわからなくなってきています。飽和状態です。
お店をやっている人なら誰しもそうでしょうけど、あちこちの会社や代理店から電話がかかってきて、「うちのサービスを導入してほしい」と営業をかけてきます。

ちょっと前なら、決済サービスごとにカードの読取端末があって、お店によってはそれらデバイスでゴチャゴチャになったものでしょう。
最近はスマホQRコードを読み取らせるシステムが増えて、乱雑さは軽減されてきたかもしれません。

ユーザーからしたら、スマホだけ持っていればモノが買えて、キャッシュバックやほぼそのままお金として使えるポイントが貯まったりして、便利なものです。

 

しかし、私のまわりの個人経営のお店をやっている人たちは総じて消極的です。
なぜなのでしょう。

現金は現金で、用意するのは結構な手間がかかります。そして、両替して小銭を用意するのは無料ではないのです。私は先日、100円玉たったの5枚が必要になり、500円玉を持って三菱UFJ銀行に行きました。
すると、驚いたことに「500円玉を100円玉5枚に両替するには、手数料540円がかかります」と言われました。

「それ、本気で言ってるんですか?」

帰り道、私は500円玉を乗せた手をじっと見るほかありませんでした……。

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両替カードという専用のカードをつくると無料なのですが、それも「10枚まで」といいます。100円玉を10円玉10枚にしたら終わりです。毎度そんなので済むわけないじゃないですか。

だったら電子決済に移行した方がよさそうですが、たとえばクレジットカードは、店側が手数料というものをカード会社に取られます。だいたい3%前後です。
これはなにかというと「いま手持ちの現金がないお客さんが、あなたの店に支払う3万円(例)をカード会社が保証します。つまり、そのお客さんがのちに3万円払えなくても、お店にはその額をカード会社から払います」というその保証手数料です。

100円、200円の商品を売っているお店なら、「そんな小さな個々の会計を保証してくれなくていいから、現金で払ってほしい」と当然考えます。そのため「カードのご使用は○千円以上からでお願いします」というところもあります。

 

ところが、最近の電子決済サービスの中には「決済手数料0円」というものもあります。
ソフトバンクグループのPayPay(2021年9月30日までの予定)、auau PAY('21年7月31日までの予定)、LINE社のLINE Pay('21年7月31日までの予定)など。

これまた店の立場から言いますと「当然だろ」という気がします。なぜなら、彼ら電子決済サービス会社は、個人データを集めて、解析可能なビッグデータにして企業に販売するのが目的だからです。

お客さんと店の間の買い物(取引)の間に割り込んできて、手数料を店から取り、お客さんからはデータを取り、それを企業に売ってまたおカネを取るという、取る、取る、取ることばかりの仕組みです。
ユーザー獲得競争が熾烈ですから、お客さん(消費者)にはキャッシュバックなど様々な派手な施策が行われていますが、店舗に対しては契約さえ取ってしまえば、あとはメールや電話で質問しても定型文のような返信や返答があるだけです。

担当営業としてやってくるのは世間の仕組みや、商売への理解などない若い子がほとんどで、1件契約を取ってくれば○円という歩合でやっているのでしょう。ヘタな鉄砲数打ちゃ当たる方式です。

世の中の最新の動きを知るためにも、私は何社かは導入しましたが、結局店舗がQRコードだらけになって迷惑なので、見えるところに置いてないものもあります。

 

リスペクトがない。

これが私の感想です。

自分のところのサービスを押し付けるのに必死で、政府挙げてのキャッシュレス化推進の一環でもあるから官軍気分なのでしょうか。

店舗に対して
「うちのサービスを置きたかったら、登記簿謄本を提出してください。審査します」
のように、
「いや、君が私のことを知らないように、私も君の会社など知らんぞ。謄本見せんかい」
と言いたくなる事例もありました。
架空の店舗をでっち上げて「契約取れました!」と報告する悪質な代理店(のスタッフ)も中にはあるという事情はわかりますが、お互いの関係というものをまったくわかっていない様子です。

 

今はビッグデータを獲得したものが世界を征する時代です。
しかし、データというのは、海に網を投げたらガサー! っと獲れるものではなく、あなたがたにはまったく関係のない人が、うちのような個々のお店の商品やサービスに惚れてくださって、お金とモノを等価交換した喜ばしい関係の間から生まれているということを忘れないでもらいたいと思います。

古い人間と言われようが、頭が悪いと思われようが、そういう愛情と感謝を日々感じたくてやっているのです。

 

 

「愛せるモノを、持たないか?」

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文責:前田将多

「不屈のヒロキくんの話」

このレザーコラムは、いわば商売のために書いています。
スナワチの社長である前田将多が、スナワチのために書いているのですから、おのずとそういうことになります。
人の死を商売に利用するのは不本意なので、しばらく黙考したのですが、やはりこういう若者がいたことを書き残しておきたいと考え、ヒロキという青年について書きます。

 ヒロキは、私の東京の実家の隣家にいた青年です。私は男ばかり三人兄弟で、隣家にはうちの末弟より2つ下の女の子がいて、私たちと合わせて四人兄妹のように育ちました。
彼女は自分だけ女で、きっと「おちんちんというのは、あとから生えてくるもの」だと考えていたかと思います。母親同士が親友になり、我々はそれくらい近い関係にありました。

隣家では子供をもう一人ほしいと考えていたようですが、一度流産を経験されています。当時まだ中学生で、流産というものがなんのことかよくわからなかった私は、私の母が電話でその報を受けて大泣きする姿を見て、それが女性にとってどれくらい悲しいことなのか、多少のショックをもって知りました。

それから何年かたち、やがてお姉さんとは11才年の離れた待望の弟が産まれます。それがヒロキです。

 私とは15才くらい年がちがう上、彼が少年になる頃には私はアメリカの大学に行っていて不在でしたし、就職して関西に移ってしまいましたから、さほど親密な付き合いはありませんでした。
ヒロキからしたら、物心ついた時から私は大人で、「隣の家にいっぱいいる怖そうなおにいさんの一人」だったかもしれません。

 ある日、「ヒロキが倒れた」という連絡があり、検査の結果胃ガンが発見されたと知らされました。
ヒロキは専門学校を出て、憧れていたゲーム会社でCGアーティストとして、働いているときでした。
当時、電通関西支社に勤めていた私は、ミナミのレザー屋でよい革財布を買って、ヒロキに贈りました。
「このレザーは使ううちに色が変わって、手に馴染んで、カッコよく変化します。だから、君は元気になってこれを5年、10年と使って、ボロボロになったときに『ああ、俺は同じだけ生きたな』と思えるようになってください」とメッセージを添えました。

 

彼は手術をして、抗ガン治療に耐え、言われた通りに、財布をよく使ってくれました。
「いや、そうは言ったけど、ボロボロすぎねえか?」と思えるほど、使い込んでくれました。

ガンは、一度はなりを潜めたかに見えましたが、数年後に再発しました。
私は会社を辞めて、私自身がレザー屋になっていました。

 東京に行く折には隣家に声をかけ、ヒロキの顔を見ましたが、抗ガン剤治療というのはサイクルがあり、私が会うときはいつも普通にひょこひょこと歩いて元気な姿を見せてくれました。
彼曰く、投薬の翌日まではほぼ通常通りに生活できるのですが、その翌日がつらく、「廃人みたいになります。ただ寝てるだけで、話しかけられても返事すらできません」ということでした。
それがいかにつらいことなのかは、なった本人にしかわからないことだと思います。私には想像もできません。

ヒロキは好きなことを突き詰めたり、細部にまで神経を使ってなにかをつくったりするのが性分みたいで、コンピューターグラフィックスに携われない鬱憤をレザーにぶつけるかのように、レザークラフトに打ち込みはじめました。
スナワチにいるプロの後藤さんに心酔しているようで、会えば次々と質問をしていました。

 遠くない死期を覚悟しながら、あれほどレザークラフトにのめり込んで、友人たちのために名刺入れやコインケースをつくっていたのは、やはりなにか、残るモノを手渡したかったのではないだろうか、と私は想像します。
ヒロキの集中力は、私の目からも異常なものがあり、上達のスピードは偽りなく驚愕でした。ちょっとキモいくらいでした。

後藤さんは、ヒロキと直接メッセージを送り合い、助言を与えていたみたいですし、言葉で伝えられない部分は映像を撮って送っていました。
クリスマスには、スナワチからヒロキがずっとほしがっていた後藤さん製のカバンをプレゼントしました。彼は感激のあまりアワアワしながら、電話をかけてきてくれました。

 ガンは容赦なく進行します。骨にも転移して、彼は友人と電車に乗りながら、右手で吊り革につかまっていましたが、車両が揺れた瞬間に、腕の骨が折れてしまいました。それはのたうち回るほどの痛みだったそうで、駅から救急車で搬送されました。

それでもヒロキは、「左腕と口かある」と言って、レザークラフトをつづけました。

 その頃にはあらゆる抗ガン剤に効き目があらわれないことがわかり、医者はホスピスでの緩和ケアを勧めたそうです。しかし、ヒロキは諦めずに、抗ガン剤治療の道を選びました。

 体調の比較的よいときに、お姉さんに連れてきてもらい、大阪のスナワチも訪ねてきてくれました。ここでも後藤さんとなにやら話し込んでいましたので、そういう際は、私はふたりをそっとしておいて、心ゆくまでレザー談義してもらいました。

 ヒロキと最後に会ったのは、6月の後藤優太オーダー相談会のため、原宿に行ったときです。だいぶやせて顔色も悪かったように記憶しますが、会場まで姉の運転で来てくれたのです。

 ボロボロのスニーカーを履いていたので、一緒に買いに行きました。

そして、夜はまた後藤さんとレザークラフトの話をしていました。いつ終わるねん、というくらいしていました。

ヒロキが帰ったあと、後藤さんと二人で、夜空を見上げながらタバコを吸ってこんな話をしました。

「新しいスニーカーもさ、いつまで履けるかわからないけど、履いたらええやんな」

「はい、僕もレザーについて教えていますけど、ずっとこれからもうまくなればいいな、と思って教えていますよ」

 

ヒロキ本人を含めご家族は、前年の夏に「余命はあと1年くらいではないか」と医者から言われていたそうですが、次の夏がやって来ようとしていました。
私は「ヒロキが死んでから会いに行っても仕方ない。生きているうちに見舞いに行こうか」と思って、私の母親に相談したところ、「もう会いに来ても、話せる状態ではないから」と止められました。

先週、母から「ヒロキは意識もほとんどなく、体重も45キロを割っているくらい(ヒロキは身長180cm)にやせ細っています。入院や治療はせず、自宅で見送るつもりだそうです」と連絡があり、私は返す言葉も見当たらず「わかりました。ありがとう」とだけ返信しました。

その翌朝に、ヒロキはガンとの長いたたかいを終え、永眠しました。享年28。

私はヒロキが闘病中とはいえ、飄々としていた姿しか知りませんので、葬儀に参列する前の現時点では、まだ実感が湧かない状態です。
ただ、こういう、生きる意欲も、能力も才能もある若者が、苦しみながら命を一枚一枚剥がされるように手放さざるをえない、運命の不条理に打ちひしがれる思いです。

「隣の家の怖そうなおにいさん」であった私が、レザーを通じて、少しの間でも彼のような不屈の魂を持つ若者と交流ができて、ひたむきに生きようとする人間の崇高さに触れることができて、感謝とともに見送りたいと思います。

私たちの製品を大切に使ってくれてありがとう。
Rest in peace.

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中央がヒロキくん

 

「愛せるモノを、持たないか?」

スナワチ大阪ストア
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「オーダーは、するのも請けるのもむずかしい」

1周年を迎えたスナワチ大阪ストアでは、ここのところなぜかワンオフのオーダーが続いております。ワンオフというのは「一点モノ」のことです。

一点モノというのは、「いつかこんなモノを、誰かに依頼してみたいけど、どこに頼んでいいのかわからない」というのがふつうではないでしょうか。

スナワチに常駐する後藤さんは、この1年、実にさまざまなオーダーにお応えしてきました。

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カバンや財布はもちろん、たとえば、ベルト、ウェストポーチ、盆栽アーティストの道具入れ、包丁を持ち運ぶための鞘、美容師さんのシザーケース、PCやタブレットのスリーブなどなど。

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ダンサーさんのシューズバッグ

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包丁用の鞘(さや)

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4色のトート

スナワチの取扱いブランドの中には、こういったワンオフのオーダーもお請けするところもありまして、Tochcaさんはガマ口のポーチを指定のサイズでつくってくれましたし、

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キセル入れとして使われています

KIGO内山さんは還暦お祝いだというセカンドバッグと手がけてくれました。
製作中のため、画像は完成後に……。

製品に対する一部カスタムでしたら、たいていのブランドが請けてくれます。 

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m.rippleのトートバッグにジッパーのフタを

一点モノというのは、依頼するのも、お請けするものむずかしいものです。

依頼するお客さん側からしたら、どう伝えていいのか悩むでしょうし、作り手からしたら、コミュニケーション能力が問われます。

つくるプロの目からは、依頼主の要望は、どこか相反していたり、無理な内容だったりして、昔気質の職人なら「そんなもんできねえよ! よそへ行きやがれ」とけんもほろろに断りかねません。

 では、作り手側の立場でのむずかしさを列挙してみましょう。

■レザーはなんでもあるわけではない。
それぞれ使いやすい、慣れた、好みのレザーがブランドごとにありまして、「こういう革で」という要望に応えるためには、革一枚を丸ごと仕入れなくてはなりません。

■(タンニン鞣しの場合)サンプルと同じレザーすらない。
自然に近い方法で鞣されたタンニン鞣しレザーは、動物にまったく同じ一頭がいないように、個々に差異が出やすく、同じタンナーが鞣した同じ品番のレザーであっても、色やツヤに微妙なちがいがあります。またキズやムラもあるものです。

■作者ごとに、得意な製法があって、そうでないものはお請けしづらい。
たとえば、後藤さんなら基本すべて手縫いでつくるため、布とレザーを組み合わせるのは苦手です。レザーにあらかじめ縫い穴を開けて縫うため、布ではそれができないからです。その他、作り手によって、カバン系が得意な人、小物系の人など、特性があります。

■「これとまったく同じモノをつくってくれ」はできない。
 コピー製品をつくることはできないので、まったく同じものというのはできません。同じくらいのサイズ、同じような用途のモノならできますが、既存の製品とそっくり同じなのは法的な問題はもちろん、作り手の誇りも傷つけます。

■途中でオーダーの追加や変更はできない。
製作工程において、作者は設計してから、つくる順番を頭に入れて進めます。そのため、「やっぱりここはこうしてほしい」という変更をするためには、モノをバラしたり、はじめからやり直すことになってしまいます。それにより、見積額が変わることもあります。

■既製品より安くはつくれない。
これは主に依頼主の方に大きな問題になってしまう事柄かもしれませんが、一点モノは少なくとも量産品より安くはつくれないのです。「ひとつの型をつくって、それを量産して採算ベースにのせる」というビジネスができないため、その一点で利益を生まなくては、仕事がつづけられません。
なるべく抑えられるように、既成モデルを基にしたり、過去の蓄積から無理なくできる方法を考えたりもしますが、考える時間、ゼロから取りかかる工程、要望に応える途中段階での確認、ミスした時や用途に合致させられなかった時の負担など、それはそれで通常の製作作業とは桁ちがいに気を使う仕事になることは間違いありません。

 

それでも、プロの手によって、あなただけの製品がうまく出来上がった時のよろこびはきっと価格に見合う大きなものになるはずです。まだ一年ですが、スナワチにはまだ大きな蹉跌は経験がありません。

私は、ワンオフオーダーの仕事が、広告制作に似ていることに気がつきました。
広告というのは毎回毎回一回ずつのオーダーメイドで、上記に挙げたような「これはできない」の完コピ以外のすべてを「なんとかやらなくてはいけない」なかなかムチャクチャな世界です。
前職で知らず知らずのうちに、色んな方法を学んでいたみたいです。

これからもこの独特な経験を活かして、レザーファンに「愛せるモノ」を提供していけたらという思いを新たにする次第です。

 

今月は、「BMJ後藤優太オーダー相談会」もございます。

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ワンオフはもちろん、BMJの既成モデルからのカスタムも含め、モノの大小にかかわらず、レザーでおつくりできるアイテムがあれば、ご相談にいらしてください。

日時:2019年6月15日(土)~17日(月) 11AM-7PM
場所:デザインフェスタギャラリー原宿 EAST 203
   ※WESTもあるのでご注意ください。

東京都渋谷区神宮前3-20-2

詳細はこちらもご参照ください:
「BMJ後藤優太 オーダー相談会のご案内」

See you there.
 

 

 「愛せるモノを、持たないか?」

スナワチ大阪ストア
大阪市西区阿波座1-2-2
06-6616-9626
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「うまく言葉にできませんが、1周年を迎えて皆さんに感謝を」

スナワチ大阪ストアが開店より1周年を迎えました。

大阪は本町の裏通りまで、足を運んでくださいました皆さんに心から感謝申し上げます。

多くの方がSNSを通じて我々のことを知って、遠方よりお越しくださいました。一番遠かった方はドイツです(笑)。

 大阪の人が一番、スナワチの存在に気づいてないんじゃないかな、と思うくらいです……。

スナワチは、有名ではなくても、レザー製品に真摯に向き合う、腕のよいジャパンブランドのために、オンラインストアからスタートしました。2015年12月のことです。
オンラインとオフライン(リアル)のイベントを中心に数年間活動したのち、「やはりレザーは、実際を見ていただく機会・場所が必要だな」と確信するに至り、2018年にスナワチ大阪ストアを開設することにしました。

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レザーの暖簾が目印

賃貸料や光熱費などの経費が増えることへの怖れはありましたが、後藤さんとジョージ店長という仲間を得て、勇気を持って一歩を踏み出すことができました。

ストアを構想した当初は、私(前田将多)ひとりでやる予定でした。
ところが、取引先である各ブランドへそのご連絡をしたところ、後藤さんが、
「え! それなら一緒にやりたいです」
と申し出をされました。

彼は、あんまり地元大分のことをよく言わないのですが(苦笑)、出たかったみたいです。
それを聞いた私ははじめ戸惑いました。「オレひとりでも食っていけるかわからないのに、二人になったらどうするんだよ……」と、思ったのです。

それはまったくの見込み違いでした。

後藤さんには助けてもらってばかりです。店をはじめるというのは、お金がかかります。工事費以外に、掃除機、WiFiルータや電話機といった通信機器、プリンタやレジシステムなどOA器機、展示什器、収納用品、トイレ用品、食器などなど、必要なものは次から次に出てきてキリがないくらいです。
後藤さんはそれらのいくつかは用意してくれましたし、運営に関しても、世話になってばかりです。開店時間は11時なのに、いつも朝9時には店(アトリエ)に来て、シャッターを開けて草木と看板を出しておいてくれます。

そしてなにより、仕事をする背中を、私に見せてくれます。人間がだらしない私は、いつも彼の仕事への取り組み方に叱咤される思いです。

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後藤さんのそういう姿を伝えるのが、私の仕事でもあり、おかげさまで多くの方々が、後藤さんの手がけるレザー製品を求めて、来店くださったり、注文をくださったりします。

ほかの取扱いブランドの皆さんも、彼らの大阪出張や、私たちのイベントの際には顔を見せてくれて、本当に気持ちのよい人たちばかりです。カラーオーダーや一部カスタムにも快く応えてくれて、いつも助かっています。

 

最後に、そして最高に、お客さんたちには充分に感謝しきれないほどです。

私が、電通を辞めて一年半ほど経ったころに、ある事件がきっかけで「広告業界という無法地帯へ」というコラムをネットに公開しました。
それはその後、同名の書籍になるのですが、声をかけてきた出版社の編集者さんは「お客様は本当に神様なのか、という趣旨で書いてもらえないか」と言ったのです。

無理難題が毎日のように降りかかる広告制作の現場を
〈仕事の構造が、「患者の指示に従って治療を行なう医師」のようなものだ(中略)。そんなものが成立するはずがない〉
と、私は書きました。

 今、スナワチをやっていて、「作り手へのリスペクトを忘れないお客さんが多くて、実に幸せなことだ」と痛感します。私が知っていた世界とはまったくちがうのです。

こんな、最高の品質の、最低に流行らないモノを売っていると、毎月毎月売上がいいわけではありません。
「今月はヤバいな~」と思っていた月末に、急に来てくれたお客さんが大きなオーダーをくれたり、カバンを買ってくれたりした時など、「お客様は神様だ」とは思わずとも、本当に「この方は神様が遣わせてくれたのではないか……」なんて、痺れるような感謝に打たれます。アホです。

私も後藤さんも(たぶんジョージ店長も)、お客さんの期待には応えたいですし、できればそれを超えるモノを提供したいと、日々考えています。
払われたリスペクトをより多くお返しして、マニュアルのない自由闊達な空気を保つことが、店の健全な発展につながるはずだと信じて、少しずつ進んでいきます。

この商売は、急成長することはありえません。小さなことを積み重ねていくことしかできないと知っています。

 

1年の節目に、関係者である皆さんへの感謝を改めて言葉にさせていただきました。
私としたことが、あまりうまくまとまりませんでした。
とにかく……、

スナワチ大阪ストアで、またお目にかかれますことを、心から願っております。

 

「愛せるモノを、持たないか?」
スナワチ大阪ストア
大阪市西区阿波座1-2-2
06-6616-9626
sunawachi.com

「私の好きなレザーの話」

レザーというのは、動物の種類、鞣し方(タンニン鞣し/クロム鞣し)、染色、仕上げの方法などによって、種類は無限に生み出されますから、いい悪いというより、自分の好き好きで選べばいいのだと、基本的には思います。

ただ、さまざまなレザーに触れて、使っていかないと、「自分の好き」すらも判断できないということはあります。

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私の好きなレザーの話をします。

元々は動物の皮ですから、荒々しい野性味の残るものがいいです。
いわゆる高級バッグ(必ず「いわゆる」を入れたくなります)のレザーというのは滑らかだったり、はじめから柔らかかったり、洗練されているように見えるものです。

これは好き好きですから、なんとも言えないのですが、私の偏見で書きます。

そういうレザーは、ほとんど……
①店頭にある時に一番輝いて見えるように図られている。
 つまり、新品の時が一番ステキで、そこからは古びていく。
②個体差が出ないように、均一な見た目になるよう処理されている。
 顔料塗装で表面を覆ったり、型押しでシボが表現されていたり、動物らしさは極力糊塗されている。
③剥げる。
 銀面(革のオモテ面)に吹き付けられている顔料が剥離したら、一気にみすぼらしくなる。

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こういう表情のレザーという一例

腕のいい革カバン職人がどこかにいて、評判が高まるにつれて、顧客が増え、注文が列をなすようになります。もしかしたら、この時点が作者にとっても顧客にとっても、一番幸せな瞬間かもしれません。

作り手自身にビジネス上の野心がある場合もありますし、彼の腕に目をつけて「これは売れる」と見込むビジネスマンが現れる場合もあるでしょう。

たいていのビジネスというのは、こういう方法で拡大します。マクドナルドもそうでした(映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』ご参照)。

やがて、その職人でなくても、パートのおばちゃんや賃金の低廉な外国でも流れ作業でつくれる大量生産品にシフトしていって、有力なデザイナーやマーケターやクリエイティブ・ディレクターが、「付加価値」というものをあの手この手で作り上げて、メガブランドになっていきます。

よくも悪しくも、ビジネスというのはそういうものですから、それはいいとして……。

私の好きなレザーの話をします。

使っていくうちに、ちがう魅力が滲み出てくるものがいいです。

こちらは、もう5年目になるBMJ Maverickのブルーです。海外のあちこちにも連れて行っていますし、特段手入れもしていません。ごくたまに、思い出した時だけブラシをかけたり、クリームをうすく擦り込む程度です。

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ただ、乱暴な扱いはしません。日々の付き合い方は、メンテと同等に大事なのだと思います。

元々ブルーだったものが、いまや光の当たり方によって、紺色にもグレーにも、やや緑がかっても見えるのですが、新品のブルーはこんな感じです。

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つまり、このコラムの一枚目に載せた写真は、ふたつとも同種のカバンなんです。
「いいカバンだなぁ。(作者の)後藤さん、ありがとう」と、5年たっても思います。

電車に乗ると、向い側のビジネスマンが膝に置いたカバンが見えます。
たいてい、カバンの角が剥げています。上記で語ったような顔料の問題とか、パイピングが合成皮革であるなどの理由によるのだと思います。

BMJ Maverick、剥げる気配もないんですよ(いや、削ったら剥げますよ、そりゃ)。

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もうひとつ、私の好きなレザーの話をします。

思い出を共有できるやつがいいです。
うやうやしくクローゼットから取り出して、そーっと扱うようなモノではなく、ふつうに付き合えるやつ。

時にドラ息子のように「こいつ○万円もしやがって、カネかかったな~」と思いつつも、かわいくて仕方ないカバン。時に箱入り娘のように「お前を着て、モーターサイクルで旅をしたよな~」と振り返られる革ジャン。

使うこと、たまに休ませること、手で触ってやること、よく見てやること。そういったふつうの付き合いが、結局はレザーを長持ちさせますし、好きなモノをずっと好きでいられますね。

 

レザーもそれぞれなら、使い方も人それぞれなのですが、あなたの好きなレザーを見つけて、あなたなりの態度で、永く使えばいいと思います。
スナワチのスローガンには、そういう考えが込められています。

「愛せるモノを、持たないか?」

 

スナワチ大阪ストア
大阪市西区阿波座1-2-2
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