sunawachi.com「レザー・コラム」

レザーにまつわるあれこれを不定期で書く、sunawachi.comのコラム

ブル? カウ?

スナワチで取扱う大阪ブランド「KIGO」では、ブルの皮革、すなわちブルハイドを使用したレザーバッグと財布を製作しています。

英語では牛はcattle(キャトル)ですが、他に性別や年齢などによって呼び方が様々あります。

Bull:
オスで「タマのついたままの」成牛。生殖能力があるということは、つまり体格が良く健康な、いわば選ばれし者でもあります。
Steer:
他の多くの雄牛は、生後数ヶ月で去勢されます。タマを取られるとステアとなるのです。食肉用にもっとも多いタイプで、普段ステーキで食べるような肉はこのステアでしょう。従って、革の流通量としても、ステアハイドが一番多いことになります。
Kip:
生後6~12ヶ月くらいの牛を指し、キメの細かい銀面(革のオモテ面)を持つ一方、繊維がある程度しっかりしているのがキップスキンです。『革の辞典』(スタジオ タック クリエイティブ発行)によると、生後の期間には「諸説あり」で、「ヨーロッパではキップとカーフの区別がなく、カーフに分類される」とあります。
Calf:
そのカーフですが、生後6ヶ月(10ヶ月と記載の資料もある)以内の仔牛。かわいそうなようですが、仔牛ですのでまだ傷が少なく、カーフスキンの銀面は滑らかで革質は柔らかです。

お気づきになったでしょうか。ハイド(hide)とスキン(skin)。大きな獣の革はハイド、より小さな動物の革はスキンということで、その総称がレザー(leather)です。

その他、
Cow:
すでに仔牛を産んでいるメスの成牛。一般にステアよりも生きて過ごす時間が長いため、革には引っ掻き傷や虫喰いなど自然の跡が残りやすい。
Heifer:
まだ出産をしていない雌牛。そのため、ヘイファ―の革はお腹の部分がより分厚くなる傾向がある。

細かくカテゴリ分けするとまだまだありますが、一旦充分でしょう…。

ホントはブルの話をしたかったのです。写真は、私がカナダのロデオ会場で、柵の外から恐る恐る撮ったブルです。

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種牛として子孫を残すことを許された巨大かつ獰猛なやつらです。種付けの季節には牧場内のあちこちで忙しく「働き」ます。
仕事はそれだけで、子育てはしません。牛はいつも母子のペアで草を食んでいます。

あなたは、あなたの父親はどうでしょう。たまにちょっと反省したり、労ってあげたりしてください。

ブルハイドの「KIGO ハーフフラップショルダー」:

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