愛することとは、使うこと
友人から「ブーツにカビが生えたんだけど、どうすればいいのか」と訊かれました。
私の答えは単純でした。
「ワークブーツなら丸洗いする。陰干しして、乾ききる前にオイルを入れる」だけです。
雑誌やウェブで色々と手入れの方法は詳しく入手できると思いますが、「ワークブーツなら」、私はそうします。
ドレスシューズなどはそうはいきませんので、ご注意下さい。
レザー製品にはそれぞれ用途があり、ワークブーツは文字通り、作業靴です。
戸外なら雨も降れば、泥に踏み入れますし、埃も浴びます。作業場なら油で汚れたり、ぶつけて傷つけたりと、様々な状況が想定されます。
私がカナダの牧場でカウボーイをしていた時は、持って行った20年モノのカウボーイブーツは牛糞塗れになりました。
そういうものです。
廉価なものではないため、箱にしまって、たまに取り出して愛でたくなるかもしれませんが、レザー製品は使わないと本来の意味であなたのモノになりません。
写真はちょっと珍しいカーキグリーンのRed Wingエンジニアブーツです。
買った時はうれしかったのでしょう、日付をタブに書き入れました。
「2006年7月23日」とありました。確か、FIFAワールドカップドイツ大会のあとでした。もう10年以上前です。
主にモーターサイクル用に履いていますので、傷もありますが、まだあと数十年はもつでしょう。
履く前にブラシして、ごくたまにクリームで手入れするだけです。
愛するモノのひとつではありますが、現代人はレザーの手入ればかりしているほどヒマではないのです(苦笑)。
それよりも使ってやること、履いてやること、その都度状態を見てやることが大切に思います。
付き合い方は人それぞれあるかと思いますが、私にとってはレザーはタフな相棒であり、それが製造された目的の通りに目一杯働いてもらって、たまに労わることを心掛けてます。